「洗い流すタイプ」と、「ふき取るタイプ」ブログ:2022-06-21
我が家の宝物。
それは、一枚の写真です。
わたしが生まれてから五日目、
病院から帰ってきて初めて、
我が家のお風呂に入った時の写真です。
親父に抱かれたわたし、
三歳の兄、七歳のお姉ちゃん、九歳の兄、
みんなで湯船につかったカメラ目線で笑っています。
撮ってくれたのは母親です。
わたしがお風呂に入った後、
兄やお姉ちゃんが、「私も」「僕も」といって、
次々にお風呂へ入ってきたそうです。
その写真の日から、
わたしのこの家での、
祖母を含めた家族七人の毎日が始まったのです。
そんな七人家族の我が家で大切にしてきたのは
一緒に食事をすることです。
親父も母親も仕事を持っていて、
毎日忙しいのですが、料理が大好きで、
休日の夕方は二人で台所です。
兄やお姉ちゃんが部活動で少々遅い日の夕方食も、
模試の日の午前中食も、できる限りみんなそろって食べてきました。
みんなで話したいことがたくさんで賑やか、
次に話したい人が手を挙げたり、
途中で突然自分の話をし始めた人を「話泥棒」と呼ぶ言葉が生まれたり、
おいしいご飯を食べながら笑い合ってきました。
11時間にちょっとぐらい嫌なことがあっても
その日の夕方食の時間でリセットできたように思います。
その後、
三人の兄やお姉ちゃんは就職や進学で我が家を離れ、
去年の四月から四人兄弟の中のわたしだけがこの家にいます。
親父も母親も祖母も、
「静かだな」「ご飯作りすぎた」「洗濯物が減ったね」と
何だか寂しそうです。
わたしも何か足りないようなあるべきものがないような…
そんな気持ちです。
一緒にいること。食べること。
家族がつながることの原点はここなのかもしれませんね。
前を見て進んでいく力は、
家族が共有する時間が与えてくれるのではないか…と
わたしは今改めて家族の有り難さを思っています。